Cambodia: Asia Law 360: February News Letter (January 2024)

 カンボジアは法整備においても発展途上であり、カンボジアでは法令は公布と同時に発効することが通常ですが、一元化された形で適時に新法令を確認する手段はありません。特に法律以外の法形式については、所管の各政府機関単位で独自のウェブサイトやSNS等で公布のアナウンスがなされることが実態となっており、網羅的な把握は困難となっています。また、公式な英語訳は存在せず、英語訳があっても原文が正しく翻訳されていない場合もあります。したがって、法令を迅速にキャッチアップして、原文を参照しつつ理解できるかが重要な法域となっております。  本ニュースレターでは、前月にカンボジア政府機関ウェブサイト等で公表された法規(法律、政令 (Sub-Decree)、省令(Ministerial Order/Prakas)、通達その他)のうち、カンボジアで活動する外国企業に影響を与える可能性の高いものを「法令一覧」に記載し、そのうち特に外国企業の事業活動に大きな影響を与える可能性のあるものについて「重要法令ピックアップ」で概要を説明しています。  本ニュースレターに記載する意見、結論その他の情報は、弊所の法的アドバイスまたは法的アドバイスに代わるものを意図するものではございません。法的アドバイスを必要とするお客様につきましてはOne Asia Lawyersグループまでご連絡ください。 info@oneasia.legal 1.法令一覧 (1) サブ・ディクリー(政令) カンボジア平和の日(1号、2024年1月1日)本政令は2024年から、毎年12月29日を平和の日として、祝日であると定めています。 中小企業記念日(15号、2024年1月29日)毎年6月27日を記念日として設定しますが、祝日ではありません。 (2)プラカス(省令) カンボジア平和の日の祝日(労働職業訓練省1号、2024年1月5日)上記の政令1号を受け、本省令は2024年12月29日を平和の日の祝日として定めています。 2024年の祝日(労働職業訓練省14号、2024年1月16日)本省令は平和の日の祝日を追加し、2024年の祝日として合計23日を定めています。 道路法違反者に対する罰金(経済財政省及び公共事業運輸省68号、2024年1月29日)建設業者が安全措置に違反した場合の罰金について定めるものです。 (3) その他 CamDXによる企業情報変更登録の5つの機能の実施開始(共同プレスリリース、2024年1月15日) 2023年の市場貸付金利(租税総局通達3830号、2024年1月24日) 2.重要法令ピックアップ 2.1  CamDXによる企業情報変更登録の5つの機能の実施開始(共同プレスリリース、2024年1月15日) 概要: (1)  2020年のCamDX導入  2020年6月にカンボジアはビジネス環境を改善し投資を誘致するため、「カンボジア・データ・エクスチェンジ(CamDX)」と呼ばれる事業登録のための情報技術システムを導入しました。 それ以来、投資家はCamDX(https://www.registrationservices.gov.kh)を通じて、企業設立時またはQIP申請時に、下記の4つの事業登録をワンストップで申請できるようになりました。これにより、従前は申請後に数か月は要した企業の設立が、15営業日を上限として設立できるようになりました。 ① 商業省での法人設立② 経済財務省租税総局での税務登録③ 労働職業訓練省への企業開設届出④ カンボジア開発評議会(CDC)での適格投資プロジェクト(QIP)登録 (2)  本プレスリリースによる機能追加 – 情報変更登録  CamDXの機能は随時更新されています。2024年1月15日、第3フェースとして、共同プレスリリースが発信され、企業の情報変更に関する新しい下記の5つの機能が追加されました。従来は法人設立またはQIP申請時に限定されており、登録済みの情報の変更には利用できなかったものが、変更に際しても利用できるよう拡張されました。 ① 登録所在地の変更② 定款の変更③ 事業活動の変更④ 商業省への年次申告(ADCE)⑤ 銀行情報の変更 外国企業の対応  上記の企業の情報変更に関する機能はプレスリリースの期日からCamDXシステムにより申請することが可能とされています。上記の通り、企業の設立はCamDXの導入で大幅な時間の短縮が実現され、申請費用も低減されました。同様に、情報変更登録についても、時間的にも費用的にも有益なものとなることが予想されます。  もっとも、現時点では手続の詳細は不明で、問題なく各手続が行えるか不透明と言わざるを得ません(カンボジアは近時システムの導入を促進していますが、問題が生じないことは稀です)。仮に従来の申請方法が可能でないとした場合かえってマイナスになる可能性もあります(現時点で関係省庁に確認したかぎり、従来の申請方法も可能であるとの口頭回答を得ていますが、今後の見通しは不確実です)。  外国企業としては、企業情報の変更を検討するに際して、本件の変更が手続に影響する可能性も考慮のうえ準備することが推奨されます。 Cambodia is still in the process of developing …

Cambodia: Asia Law 360: February News Letter (January 2024) Read More »